特定口座は、上場株式等を売却した際に必要な確定申告の手続きをお客様にかわって証券会社が行うサービスです。特定口座のお申込みは、1証券会社で1口座のみです。
特定口座のポイント
- 特定口座は、上場株式などをご売却したお客様の納税負担(申告手続き)をできるだけ軽減する為に2003年1月からスタートした制度です。
- お客様の代わりに証券会社が銘柄ごとの取得価額や取得日などの管理を行います。
- 特定口座を開設すると、証券会社は特定口座内における上場株式等の譲渡損益を管理し、年間の損益を計算した『特定口座年間取引報告書』をお客様と所轄の税務署へ交付します。さらに「源泉徴収制度」を選択した場合は、証券会社が源泉税額を納付することになる為、確定申告は不要となります。
- 株式が「破産手続開始の決定」「清算結了」などにより、株式の価値がなくなった場合、特定管理口座で保管されていたものについては、確定申告を行うことで、"株式の損失"とみなすことができます。
- 2010年より証券会社を通じて受取った上場株式等の配当等を「源泉徴収あり」の特定口座内に受け入れることができるようになりました(上場株式配当等受領委任契約)。これにより確定申告を行わなくても、上場株式等の譲渡損失と配当等との損益通算が可能になります。
- 証券ジャパンの特定口座では、新たに別の口座ができるわけではありません。現在お持ちの口座の中に「特定分」として区分され管理されます。(特定口座に入らないものは「一般分」として、これまでと同様のお取扱いとなります)
- 特定口座を開設すると、「現物取引」および「信用取引(当社では発行日取引の取扱いはございません)」ともに特定口座のお取扱いとなります
特定口座の開設までの流れ
特定口座の開設には届出書類によるお申込が必要です。
既に証券取引口座を開設のお客様
- 1.必要書類の請求
- お取引画面「口座管理」メニューの「口座開設状況」画面から手続き書類をご請求下さい。
- 2.書類の記入と本人確認書類の返送
- 書類に必要項目をご記入のうえ、本人確認書類を同封してご返送下さい。
- 3.特定口座開設手続き
- 弊社でご返送いただいた書類を確認した後、お客様の特定口座を開設いたします。
証券取引口座を開設されていないお客様
証券ジャパンにお取引口座を開設していただく必要があります。
- 証券ジャパンの証券取引口座開設のお申し込み時に「特定口座」の項目がありますので、「特定口座(源泉徴収を選択する)」、「特定口座(源泉徴収を選択しない)」の申し込みをして下さい。
- 課税区分(源泉徴収する・源泉徴収しない)の変更は、その年最初の特定口座内でのご売却前までに行えます。一度選択された源泉徴収制度の変更は、原則として翌年までできませんのでご注意ください。
特定口座開設の留意事項
- ※特定口座開設前にご購入・入庫いただいている株式等は、一般口座扱いとなります。
- ※株式・投資信託の一般口座から特定口座への振替は2009年5月29日をもちまして終了いたしました。
- ※特定口座を開設した場合、特定口座開設日の前日からの予約注文・当日の同日決済にかかる取引は、特定口座に対応しません。
- ※特定口座を開設された場合でも「一般預り」の株式を売却いたしますと、取引報告書等の書類にてご自身で確定申告を行なうことが必要です。
- ※「源泉徴収する」を選択した場合、税務署に確定申告を行うかどうかは、お客さまご自身でご判断ください。確定申告を行うと、源泉徴収された納税額を精算し、納めすぎの場合には還付金を受けることができます。「譲渡損失の3年間繰越」などの税制優遇措置を受けるためには確定申告が必要となります。
特定口座開設の廃止をご希望されるお客様
特定口座の廃止は、原則として随時受付いたしますが、届出書(「特定口座廃止届書」)のご提出が必要です。必要書類の書面はお取引画面「口座管理」メニューの「各種申込」画面より印刷していただくか、メールまたはお電話にてご請求下さい。
- ※特定口座廃止届出書の受付以降のお取引は年間取引報告書に記載されません。
「特定口座 源泉徴収あり」
お客様の上場株式等譲渡益から当社が税額を計算し、源泉徴収して税務署へ納めます。お客様は、株式の譲渡益申告(確定申告)における一切のお手続きを省略することができます。さらに、配当金受領方式の株式数比例配分方式を選択することで、源泉徴収ありの特定口座内に上場株式等の配当等を受け入れ、上場株式等の譲渡損失と配当等の損益通算が可能になります。
メリット
- 「特定口座(源泉あり)で確定申告不要(申告不要制度)
「特定口座(源泉あり)をご選択いただくと、確定申告なしで上場株式等の譲渡益に対する所得税・住民税の納税が完了します。 - 株式分割などにも対応
株式分割などが生じた場合でも親株はもちろん、子株も特定口座で計算されますので、取得価額の修正計算も必要ありません。 - 確定申告を行うことで損失の繰越や一般口座および他の証券会社の口座との損益通算をすることもできます。
- 確定申告を省略する場合は、株式の譲渡益は、合計所得金額に含まれないため、配偶者控除などの優遇規定に影響しません。
- 配当金受領方式の株式数比例配分方式を選択することで、源泉徴収ありの特定口座内に上場株式等の配当等を受け入れ、上場株式等の譲渡損失と配当等の損益通算が可能です
「特定口座 源泉徴収なし」
証券会社が上場株式等の取引明細や売買損益が記載された『特定口座年間取引報告書』を作成しお客様に交付します。お客様はそれをもとに簡易な手続きで申告・納税をすることができます。
メリット
- 「特定口座年間取引報告書」を利用して、簡易な方法で確定申告ができます。
- 一般口座および他の証券会社の口座との損益通算ができます。
デメリット
- 確定申告する必要があります。
- 特定口座における譲渡所得等が合計所得金額などに含まれるため、配偶者控除や扶養控除、社会保険料等に影響を及ぼすことがあります。
「一般口座」
お客様は、証券会社より交付された『取引報告書』や『取引残高報告書』等をもとに、「株式等に係る譲渡所得等の金額の計算明細書」と「確定申告書」を作成し所轄の税務署へ確定申告を行います。
メリット
- 売買益から源泉徴収されません。
デメリット
- 確定申告する必要があります。
特定管理口座
証券ジャパンでの特定管理口座のお取扱いについて、ご案内いたします。内容を事前にご確認のうえ、ご利用いただきますようお願いいたします。
特定管理口座制度とは
特定管理口座制度とは、特定口座に保護預りされている国内株式の価値が喪失した場合(株式が無価値化した場合)、当該株式は特定管理口座で譲渡されたものとして見なされ、発生した損失については上場株式等の譲渡損失と見なすことができる制度です。
(上場廃止されただけでは、無価値化とは見なされません)
特定管理口座の仕組み
- 特定口座で管理されている上場株式等で、国内法人の株式が上場廃止になった際、「特定管理口座」を開設していれば、その株式は「特定口座」から「特定管理口座」に移管されます。
- その後、倒産等に伴う清算が完了する等により、その株式の無価値化が確定すると、証券会社はお客様に「価値喪失株式に係る証明書」を交付いたします。※1
- お客様は、この証明書で"株式等のみなし譲渡損失の特例適用のための確定申告"を行うことができます。なお「上場株式等の譲渡損失の3年間の繰越控除制度」の適用は受けられません。※2
- 証券会社にお預け頂いていても、特定口座に預けていない国内株式、またはお手元にお持ちの国内株式が上場廃止となり、会社の価値が喪失したことが確定した場合(無価値化した場合)、その株式の損失は、「株式の譲渡損失」とみなすことはできません。そのため、確定申告等で他の上場株式等の譲渡益と損益通算することはできません。
- ※1上場廃止となった場合でも、会社の価値が喪失していない株式については、引き続き特定管理口座で保護預りされます。
- ※2特定口座の譲渡損益と特定管理口座の損失(みなし譲渡損)は、証券会社では損益通算いたしません。損益通算したい場合は、お客様ご自身で確定申告を行っていただく必要があります。
- 「源泉徴収あり」の特定口座の国内株式が無価値化した場合、証券会社から交付される「価値喪失に係る証明書」をもとに確定申告を行うことで、税金の還付を受けることができます。
株式の無価値化とは?
発行会社について次の事実が生じた時、株式としての価値を失うことになります。
(上場廃止となった事実だけでは、無価値化とは見なされません)
- 清算結了
- 破産手続開始の決定
- 会社更正計画または民事再生計画に基づく100%減資
- 特別危機管理開始決定(いわゆる銀行の国有化)
「株式等の譲渡損失」とみなすことができないもの
- 平成17年4月以前に上場廃止となった株式 (特定口座に預けていても対象外)
- 売買最終日時点で特定口座に保護預りされていない株式 (上場廃止日前に株式が無価値化した場合は、株式が無価値化した時点で特定口座に保護預りされている必要があります。)
- 法人口座に保護預りされている株式 (法人口座では特定口座は開設不可)
お手続きについて
- 既に特定口座を開設している場合
- 売買最終日の前営業日までに、特定管理口座を開設してください。
- 特定口座を開設していない場合
- 売買最終日の前営業日までに、特定口座および特定管理口座を開設してください。(特定口座を開設していないと特定管理口座は開設できません。)
- 弊社に口座をお持ちでないお客様
- 売買最終日の前営業日までに、証券総合口座と特定口座および特定管理口座を開設してください。